説教題:「愛する兄弟たちへの勧め」

旧約聖書:詩篇 27編4~13節
新約聖書:テサロニケの信徒への手紙一 5章12~18節
説教題:「愛する兄弟たちへの勧め」
讃美歌(説教後):讃美歌 21-396番
(説教者:武田英夫牧師)

パウロはこの手紙を終えるにあたって、まず「あなたがたの間で労苦し、主に結ばれた者として導き戒めている人々を重んじ、また、そのように働いてくれるのですから、愛をもって心から尊敬しなさい。互いに平和に過ごしなさいと、勧めます。まだ長老・執事の制度もなかった頃のことですが、重んじ、尊敬すべき方が何人かいたのです。

その人々の労苦の中味は「導く=指導する」ことと「戒める=訓戒する」ことでした。でも、一口にそう言っても精神的・肉体的な労苦を伴う指導、偶像崇拝者や礼拝から離れている人への叱責、迫害に見舞われている人への激励などの負担は大きかったことでしょう。

このような信仰の先輩たちに対しては、愛をもって、この上もないほどの尊敬をし、互いに平和に過ごしなさいと勧めます。そして悪いことに出会っても、悪をもってではなく、善をもって悪に打ち勝つようにと勧めます。

これは主イエスの「右の頬を打つ者には、左の頬も向けなさい」(マタイ5:39)の教えにも一致するものです。そして信仰者の基本的生活の態度として16~17節に「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」と勧めています。

それは、私たちが自分の徳を高めるためではなく、十字架と復活との主イエスさまが、先ず徹底的に私たちを愛して下さったからです。パウロの勧めは、現在の私たちへも向けられています。